はぁ…。なんか、嫌なこと聞いちゃったなぁー…。
華ちゃんから聞かされた話なんて、私と千尋くんにとってはまだまだ先のことだと思ってた。
っていうか、千尋くんとそ、そういうことがしたいとか、思ったこともないし…!
私にとっては、千尋くんとキスすることが精一杯の範疇で。
手を繋いだり、抱きしめあったりするだけでも心臓に悪いくらいドキドキしちゃうのに、その先…なんて、私の心臓がもたない。絶対に。
これが奥手って華ちゃんに言われちゃうのかな…と、ちょっと落ち込む。
私と千尋くんが付き合うようになってもうすぐ3カ月が経とうとしてる。
3カ月でまだキスしかしてないって言うのは…世間的に遅いの?
それに、私はえっちとかしたいって思ったことないけど、千尋くんは?
千尋くんはどうなんだろう。やっぱり…、男の子だし、そ、そういうこともしたいとか…思ったり、するのかな…?
ぐるぐる回る思考回路に、私の目も回りそうな勢い。
モクモクと破廉恥な妄想を頭の中で描いていると、教室のドアがガラッと開いて、慌てた私はピンクなそれをパチンと強制終了させた。