ガラッ
『お待たせ、華。』
『おっそい、宏太ぁー!』
華ちゃんから久松くんとの刺激の強すぎる情事の話を、強引に聞かされていると、クールな顔をした久松くんが教室に入ってきた。
あんな話を聞かされた後に久松くんの顔なんてまともに見れそうにない…。
少なくとも熱を帯びている顔を久松くんに見られないように少し顔を俯かせた。
『高遠の奴、まだ帰ってねーのか?』
「うっ、うん…!多分もう少ししたら来るんじゃないかな…ッ」
『そう?』
じゃあ俺らは帰るか、という久松くんの合図に、華ちゃんは帰り支度を済ませた通学カバンを肩に下げた。
周りの目も気にしていないとでもいうラブラブな雰囲気を醸し出しながら、華ちゃんと久松くんはカバンを下げていない腕同士を絡めている。
『じゃあねー雛乃!』
「うんっ、ばいばい…!」
幸せオーラ満開の2人を見送った私は、しばらく呆然としていた。