『――あ、寝てろって言っただろ?』
ダイニングに置いてあったおかゆを持って部屋に戻ると、布団に横たわっていた雛乃が部屋の壁に背中をつけて座っていた。
「ん…っ、でもちょっと良くなったから…」
『そう?ならいいけど。』
簡易テーブルの上におかゆを置いて、雛乃の傍に腰掛ける。
食べる?と聞くと、コクリと頷いた。
「――はい、」
『っ…!』
おかゆを掬った蓮華の口をつける部分を、雛乃の口に近づけると、雛乃は固まってしまった。
高熱で元々頬は赤かったが、さらに赤みが増していく。
照れてる…。本当に可愛いな。
「ほら、あーん…な?」
『っ…///』
潤んだ瞳でこちらを見た雛乃は、意を決したように小さく口を開けた。
パクッとおかゆを食べた雛乃に美味しいか聞くと、未だに照れている雛乃は小さく頷いて見せた。