何で島津があのお守りを持ってたんだよ?
それに、何で島津が雛乃に接触する必要がある?
真っ赤な嘘までついて…いったい何がしたいんだ。
『それに、さっきアンタが話してた雛乃が先に帰ったってやつ…、あれも島津の嘘よ。』
「は・・・?」
意味が分からない。
目の前で聞かされている話は、小説や漫画に出てくるような話のようで、現実味が感じられない。
『雛乃は、アンタからの先に帰れっていう伝言を島津に伝えられて帰ったって言ってた。』
「……っ、」
『その時、島津に高遠と別れろって言われたみたいだしね。』
「はっ!?」
柴戸から聞かされた話は、俺の予想なんて遥かに上をいっていて、俺はただただ驚くしかない。
別れろって…何勝手なこと――ッ
『あーあ、このこと雛乃には言わないでって口止めされたのに~、全部言っちゃった♪』
急に茶目っ気たっぷりに言い出す柴戸を前に、わざわざ俺に話してくれたことを察した。