相変わらず柴戸の思考回路は分からないと思いつつ、島津について思っていることを口にした。

別に、島津と特に仲がいいと言うわけではない。

中学の時クラスが同じで知り合っただけで、アイツの連絡先も知らないし。

たまたま図書委員が一緒になって話をするようになって…、中学の時なんて一言も話したこともないのに。


『島津さんのこと、高遠はどう思ってんの?』

「え?何でそんなこと――」

『いいから答えて!!』

「ッ…。」


本当に訳が分からないと言うのはこのことを言うと思った。

けど、このただ事じゃない空気に、俺は息を飲み込むだけ。


「島津のことなんて、何も思ってねーよ。」

『じゃあ、雛乃と島津さん、どっちが大事?』


そんな簡単なこと、何でわざわざ聞いてくるんだよ?


「断然雛乃に決まってんじゃねーか。」


迷いなく言い切った俺を見上げた柴戸は、ニヤリと笑った。