――高遠 Side――


朝、重い気分を奮い立たせて、俺は学校に来た。


「おはよー。」

『高遠!』


教室でクラスメイト達とあいさつしていると、眉間に皺を寄せつつ俺を睨む柴戸に呼ばれ、強い力で腕をつかまれた。


「何…、どうしたんだ?」

『ちょっとこっちに来て!』


え?

柴戸が纏うただ事ではない雰囲気を察して、チラリと久松の方に目を向けるが、あからさまに無視された。

え…本当に何なの?

よく状況が理解できないまま、女子とは思えない強い力で腕を引っ張られた俺は、素直に柴戸の後を追った。