――「……くしゅっ!」
雨の中、何時間も外に出ていたのがいけなかった。
『雛乃~、お母さんもう行くけど、大丈夫?』
翌日、私は案の定高熱を出し、布団に横たわっていた。
会社に出勤する直前にお母さんが私の部屋へとやってきて、私の様子を見に来てくれた。
「ん…大丈夫…っ、」
『学校には連絡入れといたからね。あと…、今日は翔一も大学があるから1人になるけん、休んどきなさい。』
「ぅん…。」
そっか…、お兄ちゃん、研究が立て込んでるって言ってたっけ…。と回りにくい頭で考えた。
『リビングにお昼のおかゆ作っといたけん、食べときんさいね。』
「はぁい…。」
じゃ、と私のおでこに冷えピタを貼ったお母さんは、早々に部屋を出て会社に出勤した。
テスト前なのに…早く治さなきゃ…。と思いながら、私はゆっくりと重い瞼を下した。