――ブクブクブク…ッ
その日の夜。
私はお風呂のバスタブの中で最高の幸せに浸っていた。
水の中で口の中の空気を吐き出し、バスタブに浮かばせているアヒルの玩具をボーっと見つめる。
私……高遠くんと、付き合うことになった…んだよね?
「……っ、」
今日の放課後のことを思い出して、すでに温まっている体温がさらに急上昇していく。
高遠くんが、私を好き…?
未だに実感がわかない。彼は私のどこを気に入ってくれたんだろう。
高遠くんを前にした私は、驚いてばかりで、照れてばかりで、何も良い所なんて見せられていない。
今日だって、変に勘違いをしちゃったせいで、高遠くんを困らせたのに。
こんな私を好きになってくれるなんて、2度とない最高の幸せ。
自分に自信が持てないから、どうしても小さな不安が拭えずにいた。