前にはすでにひろとが座っている。 後ろ姿もかっこいいんだよね。 言ってあげないけど。 つんつんとひろとの背中を突く。 ん?っと後ろを少し振り向いて 耳を傾けてくる。 「昼休みにるりに話そうと思う。」 それだけ言うと 「そっか。頑張れよ。 きっと橘は大丈夫だ。」 みんなに気づかれないように 一瞬だけ私の手を握って 前を向いてしまったひろと。