帰り支度を終わらせ
いつものようにひろとが
私についてきて一緒に教室をでた。
2人で駅まで歩いていく。
「ねぇひろと。
なんで私と一緒に帰るの?」
ひろとに尋ねてみた。
ひろとは少しびっくりしたように
「そんなの決まってんじゃん。
俺がえみと一緒に帰りたいから。」
といつもみたいにニカッと笑った。
それにドキッとしてしまう自分がいる。
それってどういう意味なの?
みんなにもそういう風に笑って
優しくしてそんな言葉を言うの?
心の中にモヤモヤとした
感情が渦を巻いていく。
「なんで聞かないの?
私が笑わない理由。みんなの前では
いつも作り笑いで笑っている理由。」
いつからこんなに
ひろとに色々話せるように
なったのだろうか…自分でも
不思議で仕方がない。
ひろとは優しく微笑んで
「おまえが言いたくなるまで
俺は待ってるよ。だから無理に
言わなくてもいい。」
そう言って私の頭を
くしゃくしゃ撫でた。
なんでそんなに優しいのよ…
わかってしまった。
自分の感情に。
モヤモヤの心のわけを。