ん?
嫌な予感がして前を向くと

ニカッと笑って私を呼ぶ人物…

槙村広人…

これはやばい。
秘密をバラされたら終わりだ…

私は怒りを含んだ笑顔で

「なんでしょうか?」と
敬語で返した。

しかもなんで勝手に名前で呼んでんの。
その笑顔はなんだよ…
私を陥れたいのか…?


私の考えもお構いなくひろとは

「今日一緒に帰ろうぜ!」

なんて言う衝撃の爆弾発言。

はぁ?こいつまじで頭
おかしいんじゃないの…
無視する私にひろとは

「じゃあ決定って事で!」

勝手に決めてどこかへ
行ってしまった…

放心状態の私を覗き込んで

「えみ?どうしたの?そんなに
固まって。槙村君と知り合いなの?」

呑気に質問してくる、るり。

「えっあっ。違くて…はっはは…」

笑って誤魔化すしかなくて
そんな引きつる私の顔を見て
るりはニコニコと笑っている。

それ以上何も聞いてこない
るりに感謝した。