私は急いで立ち上がり
玄関に向かった。


ガチャ。
「ひろと!!」
勢いよくドアを開けた。

「えみ…」

ひろとじゃ…ない。
私はへなへなとその場に座り込んだ。


「えみ、ほっとけなくて…」
扉の前にはるりと高野君が立っていた。


「うぅ…ひっく…う、うわぁん」
昨日あれだけ流した涙がまだ
枯れていなかったのかというくらい
また私は泣いてしまった。


よしよしと頭を撫でて
抱き寄せてくれるるりの腕は
とても温かくて…


「もう大丈夫だから…」

私はるりの腕の中で声をだして泣いた。