いつからだろう。
私があなたに恋をしたのは。
私が変わったのは。
光のない毎日に眩しいほどの
笑顔をくれたあなたが大好きで…
そんなあなたを
今でも信じてる…
「いってきます…」
誰もいない部屋に
挨拶をして家を出た。
今日から私、
宮崎笑美〈ミヤザキエミ〉は
高校生になる。
華の高校生。
なんて言葉は私には似合わない。
なにもかもがどうでもいい。
正直高校がどうとか興味がない。
私は毎日空っぽの毎日を過ごしている。
私の家から
これから通う高校までは
結構な距離がある。
だから中学の同級生は
誰一人いない高校。
それが目的で私は
この高校を選んだ。
私のことを誰も知らない
ところの方が楽でいい。
中学の同級生とまた一緒に
過ごすなんて真っ平ごめんだ。
まぁこれからは
新しく知り合う人達と
過ごさなきゃいけないんだから
結局一緒なんだけどね…
なんて考えながら学校まで
たどり着いた。
入学式も終わり
今は発表された自分の
クラスに入ったところだ。
私の席は運良く
窓側の1番後ろの席。
私は自分の席に座り
朝HRが始まるのを待っていた。
ぼーっとしていると
隣の席の子が話しかけてきた。
「あのっ私、橘瑠璃〈タチバナルリ〉
ってゆうのよろしくねっ!!」
ふわふわとした雰囲気を
漂わせる女の子らしくて可愛らしい
その子はにっこりと笑った。
「私は宮崎笑美。よろしくね!」
元気よく笑顔で返した。
そう…でもその笑顔は
ただただ騙すだけの偽りの笑顔。
本当の笑顔なんて
私には作ることなんかできない…
彼女はそんな私に
なんの疑いもなく嬉しそうに
笑っていた。
なんだかさっきから
教室が騒がしいような…
「ねぇあの人めっちゃ
かっこよくない?」
「イケメンすぎやばい。」
「私超タイプなんだけど。」
とかきゃあきゃあと騒ぐ女子たち。
そんなみんなの視線の先には
1人の男子がいた。