「んで、その男は誰だったんだ?」
「…名前言ってた気がするけど覚えてないや…」
「そう?また同じことがあったら絶対に言えよ?」
「わかったよ」
そんな話をしていたら家についてしまった。私の家と陽介の家は隣同士。
そして学校からもそんなに遠くない距離にある。
だから今日みたいに毎日一緒に帰ったりしなくてもいいんだろうけど…ね。
私はいつも家に一人だ。兄妹もいないし、お父さんは仕事でほとんど帰ってこない。
お母さんはというと、私が小学校にときに病気で亡くなった。
だから家に帰っても嬉しい事も何もないわけで。
【〇〇市ではタイガー逃げ出したとして___】