「おい、リーファ何言ってるんだ?こいつ」



「アルフ様、つかさ様は日本よりはるばるいらっしゃいました。きっと時差で……」




「ラリってるわけか?」



「おそらく……」





しまったとリーファは顔をしかめ、口に手をやる。





「ラリってるお前に教えといてやるよ」




「なによ?」






「ここは、グロリス王国」


そう言ってアルフが私の顔を覗き込む。




「ぐ…グロ?」


「グロリス王国です。グロリス王国はアラブの中でも石油が多く産出されるので、世界の中でも上位に入る裕福な国なんですよ」






私を見かねてリーファが説明する。





いや、説明されても何が何だか。
グロリス王国……は知ってる。地理の教科書で習った、あり得ないぐらい金持ちの国だって。