「あら~この子が!!」


ルルフさんは全速力で駆けて来て私を見るなり大声で叫んだ。




「か……可愛いじゃない!!日本人だっていうから“おかめ”みたいな人が来ると思ってたわよ~!!」





あっ……おかめと比べて可愛いってことね。



「そんなの“おかめ”に失礼だ。ありゃ、日本の歴史だ」


言うと思いましたよ。この意地悪クソ王子め。




アルフの兄弟だけあって性格は凄まじそうだけど、やっぱりルルフさんも顔は整っているし、言うことが下品でもどこか気品がある人だった。


それに、スタイルが抜群に良い。
モテるだろうなぁ、アラブのお金持ちに。




「私、ルルフ。アルの姉よ」



そう言ってルルフさんは右手をさし出してくれた。
その手慣れた動きに、さすが正真正銘のお姫様だと私は感動する。



「私、鈴原つかさです」



私はその右手をゆっくり握った。