「ぎゃぁぁあああああ!!」






そうでした。ここの庭には虎がいるんだった!!
く……食われるじゃん私!!



「どうされたのですか?つかさ!」


何に驚いているんですかと不思議そうな顔で私を見るファルコ。
いやいや、待て待て。明らかに原因はあなたの後ろで座ってるその化け猫だよ。




「とととと……虎」


「あぁ、レディのことですか?レディは兄様のペットです。可愛いでしょ?」




いいや、全然。
むしろ、あのアルフのペットと聞いて納得してる自分がいますよ。
なんで、猫じゃ満足できなかったのよ!?




「レディなのよね?」



メスの方がおとなしいっって言うじゃない、何モノでも。





「名前はレディですが性別は男です」



はぁ、訳分かんない。
どんだけアルフは性格ねじ曲がってるのよ。
どこに女の子に太郎ってつける奴がいるわけ?



「つかさの家にも虎ぐらいいるでしょ?」




あの、そのハムスターレベルのノリで話すの止めていただけますかね?




「いないよ。動物自体飼ってないけど」

会社が忙しいから動物は飼えないとずっと言われてきた。小さい頃はそれが嫌で仕方なかったけど、虎に食われるくらいならいない方がましだ。



「珍しいですね。まぁ、レディのことは気にせず」



そう言って、ファルコは私の為に椅子を引いた。