「母さんが…飛沙にって。」


灰夜はそう言って優しく頭をなでた。


「…ぐすっ……じゃぁ……っ……」


「ごめんな。龍国と別れさせたのは俺の勝手な復讐だ…。辛い思いさせて悪かった。でも、」


「ひくっ…でもっ……?…」


「でも……それもあと少しだな。」


そう灰夜は笑い私に膝枕をした。


「疲れただろう?少し眠れ。」


私の頭を優しく撫でたその手はとても大きくて暖かかった。