「えー、今日は転校生を紹介するぞ!」

先生のその言葉に、噂を聞いていた女子たちはキャッキャと声を弾ませる。

入れー、と言われて教室に入ってきたのは、朝の....

「柳莉玖」

名前だけを言った。

素っ気な...。

あんな人だったっけ?

「柳の席は、あそこな」

そう言ってあたしのとなりを指さす。

柳莉玖はその指の先を目で追う。

...と、すぐにあたしと目が合った。

「あっ」

さっきの冷たくそっけない雰囲気はどこにいったのか、明るい声を漏らした。

「百合の隣?嬉しいな」

そう言いながらあたしの前に来た。

なんで名前知ってんの?

皆の視線が痛い...。