「エドワード、『もう少し待って』って、どういうこと? 私は、もう何年も前に結婚してたのよ?」
「何……? そ、それじゃまさか、ベラと年が変わらない時に……」
顔から血の気が失せながらエドワードがそう言うと、ジョアンはにこりと微笑みながら頷いた。
「ふふ。そういうことになるわね」
その答えに、エドワードはショックの余り、壁に手をついて、倒れこんだ。
「あらあら、エドワードったら、大丈夫? ねぇ、今度告白することがあったら、時期を逃してはダメよ。それに、前もって、好意を態度で示すこと。そうじゃないと、伝わらないから。分かった?」
エドワードに腕を貸して、立たせようとしながらジョアンがそう言うと、彼は顔をしかめた。
「君は、私の気持ちを知らなかったのか?」
「つい最近、分かったところよ。それまでは、あなた、あまり話もしてくれなかったでしょう? あれで、好意を見抜けという方が無茶よ!」
「そ、そうなのか……?」
エドワードがまだ青い顔でそう言うと、ジョアンは彼が壁にもたれながらでも立っているのを確認して、首を横に振った。
「そうよ! 好意を持ったのであれば、それを相手に分かってもらうよう、行動で示さなきゃ! まぁ、次はこんな風にならないよう、頑張ってね、王太子殿下」
そして、ドレスの裾を少しつまんで、貴族の礼をすると、彼女はその場を後にしてしまった。一度もエドワードの方を振り返らずに。
「次、か……。君以上の女性が現われるとは思えないけどな……」
その後ろ姿をずっと見送りながら、エドワードは一人でそう呟いた。
「何……? そ、それじゃまさか、ベラと年が変わらない時に……」
顔から血の気が失せながらエドワードがそう言うと、ジョアンはにこりと微笑みながら頷いた。
「ふふ。そういうことになるわね」
その答えに、エドワードはショックの余り、壁に手をついて、倒れこんだ。
「あらあら、エドワードったら、大丈夫? ねぇ、今度告白することがあったら、時期を逃してはダメよ。それに、前もって、好意を態度で示すこと。そうじゃないと、伝わらないから。分かった?」
エドワードに腕を貸して、立たせようとしながらジョアンがそう言うと、彼は顔をしかめた。
「君は、私の気持ちを知らなかったのか?」
「つい最近、分かったところよ。それまでは、あなた、あまり話もしてくれなかったでしょう? あれで、好意を見抜けという方が無茶よ!」
「そ、そうなのか……?」
エドワードがまだ青い顔でそう言うと、ジョアンは彼が壁にもたれながらでも立っているのを確認して、首を横に振った。
「そうよ! 好意を持ったのであれば、それを相手に分かってもらうよう、行動で示さなきゃ! まぁ、次はこんな風にならないよう、頑張ってね、王太子殿下」
そして、ドレスの裾を少しつまんで、貴族の礼をすると、彼女はその場を後にしてしまった。一度もエドワードの方を振り返らずに。
「次、か……。君以上の女性が現われるとは思えないけどな……」
その後ろ姿をずっと見送りながら、エドワードは一人でそう呟いた。