「好きです」


「ごめんなさい」


今日でこのやりとりも3回目。

どうしてみんな卒業式に告白してくるんだろう…。


「ハルーっ!おったー、ずっと探しよったんよー」

我が愛する幼馴染、親友のルナが走ってきた。


「おまえまた告られたんか(笑)」

ルナはもう、私が告られたことには驚きもしない。

もう今では日常茶飯事になってしまった。

そんなに高くもない身長、短い足、ぽっちゃり体型の私がなぜモテるのかが不思議でたまらない。


今日で中学校生活も終わり。

高校生になったら好きでもない人と付き合うのはやめるし、本当に心から好きな人を作りたい。


「おぉー、ハル!!お前に告った3人、落ちこんどったぞー」

3年になってから同じクラスになって仲良くなった中村レオが私とルナの会話に入ってくる。


「へー。付き合ってすぐ別れるよりはましやろ。」

今まで好きじゃない人と付き合って何回失敗したことか…。


「うわー、オレ絶対ハルと付き合いたくないっ(笑)」


「ルナもいや」


「レオは別どーでもいいけど、ルナにそんなこといわれたらなくわー」

私とルナはレズと疑われるほど仲が良い。

なんせ幼稚園から一緒だから…!!


「どーでもいいとかひど…」

レオは恋愛感情を持たずに接せるナチュラルな関係を築くことができる男子。


「ハイハイ。ねね、ルナ、明日合格発表一緒に見にいこ!!」

明日は県立一般の合格発表がある。

市内で2番目に賢いから、受かっているか不安でたまらない。


「うん、バスでいこ」


「ね、オレもいっていい?」

もちろんいいよね、といった自信満々な表情が頭にきた。


「いや」


「えー、なんでよー、いいやんかー」

私とルナとレオは男女なのに1年間イツメンだった。

いつでもどこでも遊びに行くのも一緒。

最初はクラスの人に白い目で見られたりはしたけど、今では「3人でいるのが当たり前」と思われている。


「しゃーなしやなー!!」


「いや、当たり前。ってか写真とろや!!」


この中で1番女子力高いのはレオかもしれない。


「はい、ピース!!」


「ってかお前ら、オレの第二ボタンめぐって争いすんなよ?」


「ってか、今日ルナんちとハルんちで夜食べにいこや!!」

あえてのスルー。

レオの言葉は無視。

これが鉄則だ。


「いいよ」


「待って?無視せんといて?オレなくよ?」

この3人でいると自然と笑えてくる。

3人で合格してますように、なんて祈ってること、レオにはばれませんように!