泣きながらキスをせがんだら、翔太は何も言わずにふんわりあたしを抱きしめた。
「…翔太?」
なんで、キスしてくれないの?
そう思っていたら、翔太があたしの耳元で言う。
「大丈夫だよ、世奈ちゃん」
「…?」
「何があったのか知らないけど、世奈ちゃんには僕がいるでしょ?」
翔太はそう言って、あたしの頭を優しく撫でた。
何度もキスをするよりもどこか落ち着くその感覚に、あたしはしばらく翔太に身を委ねていたのだった…。
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そしてそれから学校を出ると、家に帰るにはまだ早いから、あたし達はちょっとだけデートすることにした。
途中、喫茶店でケーキを食べて、プリクラを撮って、今はショッピングをしている。
そうしているうちに次第にさっきの寂しさも薄れていった頃…
「!」
突如、あたしの携帯が鳴った。
見てみると、それは健からの着信で…。
あたしは翔太が隣にいながらも、すぐに電話に出た。