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そして、サッカー部試合当日。

物凄く嫌がる翔太をなんとか連れて、あたしは試合の会場である学校にやって来た。



「うわー。結構人いるねぇ~(ってか女子多い。もしや健目当てか?)」

「…そだね」



ちょっとずつテンションが上がっていくあたしの隣で、さっきからテンションが低いまま全く上がらない翔太。

だけど、こんな時でもやっぱり翔太はあたしの腰に腕を回してぴったり寄り添っている。


…恥ずかしー。


そう思いながらしばらく翔太と雑談していると、やがて試合が始まった。


んー…健どこだろ?

わかんない…。


そう思っていると…



「ダメだよ、世奈ちゃん」


「!!」



そう言って、突然翔太に両手で目隠しをされた。



「ちょっと、見えないじゃん!」



あたしが翔太の手を離そうとしながらそう言うと、翔太は沈んだ声で言う。



「…そんな真剣に相沢さんのこと見ないで」

「いや、だって今日は健を見に来たんだから!」



しょうがないじゃん!


翔太が嫉妬してくれていることはわかっているけど、でもせっかく来たんだからちゃんと応援したい。

…だってこんなマトモに健がサッカーしてる姿見るのは、初めてだし。


あたしがそう言うと、翔太は渋々その両手を離してくれた。