……………



「何?」



教室を出て廊下を出ると、健があたしに言った。



「お前さ、今度の土曜暇?」

「?うん、暇だよ」



あたしがそう言うと、健は…



「じゃあ…その日サッカー部の試合があるんだけど、お前観に来いよ」

「え、」

「…早月翔太と一緒に」



健はあたしにそう言うと、右手で自身の頬をちょっと掻く。

ってか、サッカー部の試合を観に来いとか、そんなこと初めて言われた。



「いいけど、あたしサッカーわかんないよ」



あたしがそう言うと、健は「大丈夫」って言った。



「世奈はそこにいてくれるだけでいい」

「!」

「…なんか、それだけで良いトコまでイケるような気がする」



そう言ってなんとなく照れた表情を浮かべるから、そんな顔を見るとあたしまで照れてしまう。



「そ、そっか。じゃあ、そこまで言うなら行ってあげてもいいよ」



そして照れているせいもあってかめっちゃ上から目線でそう言うあたしに、健が言った。



「そう、じゃあ俺頑張るから。期待してて」



そう言って、ニッコリ笑ってあたしのあたまを撫でると、その場を後にした。


…っていうか、翔太も一緒にって。

何でだろ?

健、辛くないのかな。