ふと頭をよぎるのは、あたしに向かって優しく微笑んでいるリトの顔だ。

『ごめんね...。茉李(マツリ)が俺のこと、どう思ってるのか分からなくなっちゃった。

別れよう。』

リトの口からでたその言葉たちは、

あたしの上に重くのしかかってきた。

じわじわと滲む涙をぬぐって、ただひたすらに私は歩く。






しかし耐えきれなくなったあたしは、その場に座り込んで動けなくなってしまった。



『リ...ト..

なんで?なんでよぉぉ。』


次々とあふれでる涙が路上の雪をぬらし、

だんだんと溶かしていった。