ガチャ


家の扉を開く音が静寂な夜に鳴り響く。 








「…一応、今まで育ててくれたんだし礼だけは言っとかないとね…


………ありがと…」


口を閉じた璃沙は背中に黒色のリュックをしょって走り出した。 








―――………









…にしても、行く宛ても無いしどうしようかな… 




体から吹き出す汗をタオルで拭きながら、ふと考える。 










……とその時!! 




「おい!!!!!!!!!!


そこの女の子止まりなさい!!!!!!!」


突然、二人の警察官がこちらに向かってきた。 




「はぁ!???

意味わかんないし」


状況を全く理解できない璃沙は、走って来る警察官から意味もなく走って逃げ始めた。