だからそんな自己嫌悪を忘れるように、ただただボールを投げた。

大好きなバスケをしているときでさえたまにちらつくあいつの顔。

こんなこと、付き合ってる時でもなかったのに。

「ごめん、今日は帰る。これは俺が持っていっとくから。」

選手名簿を机からとると、教室をでた。

職員室の柴崎に選手名簿を渡しにいく。

「おう、ごくろうさん。あ、そうだ。中原お前、ちゃんと傷つけなかったんだろうな?」

傷つけなかった…?

実結のことを、だよな。

めちゃくちゃに傷つけたよな。

「無理だった。泣かせた。」

「そうか。でもその決断にお前自信は後悔してないんだよな?」

未練は正直に言ってしまえばあるけど、決断に後悔はしていない。

これだけははっきり言える。

これが一番いいんだ。

遠距離はかなり苦しいんだって、言ってたじゃんかよ。

俺たちはまだ子供だから。