ここは思いきって…

「颯!ちょっと来て!」

颯を廊下のすみに連れ出した。

「なんだよ。」

怪訝そうな表情であたしを見つめる。

でも、負けない!

「なにか悩んでることがあるの?」

そう言うと、かすかにだけど颯の目が見開かれた。

やっぱりなにか悩みがあるのかも。

「あたしなんかじゃ頼りないと思うけど、話聞くよ?」

いつもあたしのことを助けてくれる颯。

たまにはあたしも颯の力になりたい。

「…別に。何にもねえよ。」

余計なこと考えるな、そう言ってあたしの髪をグシャグシャにした。

目、そらされた…

やっぱりなにか悩んでるんだ。

嘘つくとき、目をそらすのは知ってるよ。

だって幼なじみなんだよ?

どうしてごまかすの…?