二人が仲良くなったら、嬉しいな。

「実結ー!教室行かなきゃ遅れるよ!」

早紀ちゃんが呼んでいる。

「はーい!疾風君、じゃあね。」

「おう、頑張れよ!」

早紀ちゃんを追いかけてあたしは新しい教室に向かってかけだした。



「実結?なにしてんの?早く入んなよ。」

あたしが教室の扉の前で立ち止まってると、早紀ちゃんが背中を押した。

「うー…なんか緊張する。」

あたしはけっこう人見知りが激しいタイプ。初対面の人はかなり緊張しちゃうし、なかなかクラスに馴染めなかったらどうしよう、とかそんなことばかり考えちゃう。

「なーにいってんの!三年目なんだし、そんな知らない人ばっかりいないって!」

早紀ちゃんは呆れ顔先に教室に入ると、であたしの腕を教室の中に引っ張り入れた。

そうなんだけど、なんか緊張するんだもん。

あたしは早紀ちゃんの後にこそこそ続いて入っていく。

…けっこう知ってる顔が多い。よかった!

黒板に張ってあった座席表を見る。

「げっ、あたし一番前の真ん中だ!最悪!」

早紀ちゃんの席は気の毒なことに、教卓の真ん前。

あたしは…廊下側の前から二番目の席か…