「謝んなよ、惨めだろ?」

葵が眉毛を下げながら、笑う。

「だけど、俺、まだみゅーのこと諦められない。向こうに行ってもずっと好きだった。忘れられなかった。」


そして顔をあげて、まっすぐ俺を見て言った。

「だから、諦めない。颯にも遠慮しない。みゅーのこと、それくらいに好きなんだ。」

何でだ?どうして俺は実結と付き合ってるはずなのに、こんなに不安が押し寄せてくるんだ?

「ごめんな、俺、颯のこと、親友だけどみゅーのことに関してはライバルだから。」

そう言うと葵は屋上から出ていった。

一人取り残された俺は空を見上げる。

今日はすげえ星がきれいだ。

よく四人で星の観察とかもしたっけ。

兄貴のお古の天体望遠鏡もって色んな星座をみた。