あおくんが急に立ち止まった。

背が高いからあたしは見上げる形になっちゃってる。

「うん!あたしも会いたかったよ!会えて嬉しい!」

あたしがそう言うとあおくんはあたしの頭を優しく撫でる。

背が小さいせいか、頭をよく撫でられるんだよね…多分、位置的にちょうどいいのかも。

だけどあたしのなかで颯は特別なんだ。
颯があたしの頭を撫でてくれたら、悲しみや嫌な気持ちも全部なくなっちゃう。

きっと魔法の手なんだ。

颯…やっぱり会いたいよ。ちゃんと話したい。

「みゅー?どうしたの?」

立ち止まったままのあたしを見てあおくんが顔をのぞきこむ。

「ううん、なんでもない!帰ろう。あーちゃんにも会いたいし!」