「ブスだな。」

あーあ。
俺のバカ。


またやっちまった。


「最低!ここまで運んでやったのに!」

「運んでやったってほとんど支えきれてなかったし。」

「なによ!バカ斗真!」


怒った花音は俺に背を向けるとまっすぐ保健室の引き戸に手をかける。


「花音。」

「なによ⁉︎」


くるっと振り返った花音は
俺を睨んだ。


「ありがとな。」


よかった。素直になれて。


「っ!」

あ。無視しやがった。
だけど、さっきと同じ。


顔赤かったな。
熱でもあんのかな。