「ちょっと待ちなさいよ!斗真!」

後ろから走りながら俺の背中に向かって叫ぶ花音。


だが、俺は振り向かない。


なんだよ。
意味わかんねー。


兄貴なんかちょっと優しいだけじゃねーか!


優しくて、かっこよくて王子様みたいで


って悪いところねーじゃん!


あーあ。顔なら俺も負けてないのに。


花音ちゃんは兄貴にゾッコンなわけね


諦めて他の恋でも探すかな。
俺、花音に嫌われてるし。


つーか、相手ならいるし。


性格は最悪だけど毎日のように告白されている俺。


だから今日もきっとお呼びが
かかるはずだ。