「ほら。手、繋いでやるから」


すっと花音の前に手を出すと
花音は恥ずかしそうに
「うん‥‥」と言いながら
俺の左手をとった。



今日行く場所は去年
花音の誕生日に行った映画館



「斗真、どれがいい?」

たくさんの映画のポスターが並ぶ映画館内で見たい映画を探す


「花音は?」

「えっ!私?私は、これかな?」

花音が指差した映画館はやはり
男と女がキスをしている
純愛もの。


俺はふっと微笑んだ


「じゃあそれにすっか。」