「なんだよ、俺の顔なんかついてる?」
私は軽くううんと言ってまた歩き出す。

「そうだ梨依。今日金曜日で明日も部活午後からだからうちくるか?」
と休みの日には家に呼んでくれるのが結構な日課になっている。
親同士も仲がいいから喜んで受け入れてくれる。
「うん!洸ちゃんママ、今日は何作ってくれるのかなぁ♪」
と浮かれているうちに家についた。

「じゃあ、着替えとかいろいろしたら電話して。迎え行く。」
「いいよいいよ、このぐらいの距離1人で行く!」
と、毎回断ってるのに毎回同じことを行ってくる洸ちゃんはやっぱり優しい。
「…おう。気をつけてこいよ。」
「うん、またね!」


うーん。なに持っていこう。
こんなに何度も行ってるのにやっぱり迷ってしまうのは恋する乙女心ってやつだと思う。
よし、やっぱいつものコレにしよー!

「お母さん、洸ちゃんのとこ行ってくるね!」
「真希さんによろしくねー」
「はーい!」
真希さんとは洸ちゃんママの名前。
「いってきまーーす!」