そう言い終わると同時に洸ちゃんが私を抱きしめてくれた。
「梨依…可愛すぎ。もう離さねえから。」

洸ちゃんの…匂い。
いい匂いがする。私の大好きな匂い。



ーーーーーー「…ぃ…て!」
「梨依!起きなさい!」
「ほえ!?」
萌香の声にビックリして体を起こす。
見慣れた教室。
なんだ…夢か…なんだかいい気分…

「ちょっと、どうしたの?」
「なんかなつかしいような夢見たなって思ってさ!」
ヘヘと笑うとそっか。と萌香も笑った。



「「さようならー」」
またね、ばいばい、と言う声が行き交う。
「梨依。帰るぞ」
そこには夢で見た洸ちゃんよりも随分と背が伸びて、声も低くなって少し大人になった洸ちゃんがいた。

「うん!あ、萌香!ばいばい!」
と教室の後ろで他のクラスメイトと話している萌香に手をふった。


コツコツコツコツ コツコツコツコツ
「洸ちゃん。私ね、今日洸ちゃんの夢見たの。」
「急になんだよ。どんなの?」
「へへ、内緒ー!」
「なんだそれ」
と言い笑う洸ちゃんを見る。
やっぱりかっこいいなぁっ。


洸ちゃんはバスケ部。
1年生から試合に出てて、今ではスタメン。それに容姿端麗。
女の子がほおっておくわけないよね。