「あ、でもダメだ」
「あぁ?」
「メグ達と、って電話だ」
携帯の着信音が鳴って、ディスプレイを見ると着信はメグ。すぐに通話ボタンを押して、電話に出た。
「……………は?」
な…なんてことだ。
「なんやって?」
ピ、と話話終了ボタンを押してすぐ亮助にそう聞かれ、あたしはただ呆然とその携帯を握りしめたまま答えた。
「ナンパされて、その人達と遊ぶんだって。」
「ふうん。おまえは?」
「2対3、人数オーバー。」
友達は恋の次ってやつか。これだから困る。ほんとまったくだ。メグは未だ亮助があたしの彼氏だと思い込んでるし。
でも…ま、亮助と行くのも悪くないかな。
「じゃ、行こっか!」
「…ほんま都合のええヤツ。」
「あはは!亮助がいてよかったー!」
気が付けば最近亮助に助けられてばかりな気がする。体育の鼻血事件も、眠れない夜も、今日だって。…そう思えば亮助が家に来てから寂しいと思った事がない。
だっていつだって亮助が傍にいたから。