うわわわわ、なにが俺のよ。こんな時まで嘘付かなくていいのに。

なんて思いながらも少なからず高鳴る心音。馬鹿みたいにトクントクンと響いてはアタシを困らせる。



「あんたの彼女?は、どこがええねん。そんな女」

「はは!いえてる!」



やばーい。地味に傷付いた。知ってるわよ、そんな事。だからアタシが彼氏居ない歴16年なんだっての。

そんな事を思っていると、亮助と身体が離された。




「ちょ、なっ……」




え、と目線を上げればその男に頭のてっぺんから無表情でジュースをかける亮助の姿。

唖然と立ち尽くす男と、ジャーと言う効果音。てゆーかソレ、メグの烏龍茶。





「ばっ冷た!なにすんねん!」





亮助がコップを捨て、カランという音と同時に手首を捕まれた。




「おまえらみたいに見る目ない男に鈴子はもったいないわ。」




どうしてだろう。奴等に言われた酷い言葉より、亮助に言われたその言葉が嬉しいなんて。

ただ呆然と立ち尽くす男。それを横目にあたしは亮助に腕を捕まれたまま店を出た。