その箱は、悩んだ末に結局捨てられなくて、あたしの部屋となった屋根裏部屋の隅に置かれた。原色すぎて目が痛いわ、と文句を言ってくる奴に少なからず悪態をつきながらもせっせと運んだお陰で引っ越しは晩御飯前に終了。正直言ってありえないと思う。こんな不思議な空間で今日初めて会った男と一緒に暮らすなんて。拷問、そう拷問だわ。神様はきっとアタシが嫌いなんだ。



‐act.05‐





「お約束事、そのいちー!」



奴の目の前に一枚の紙を見せつけながら仁王立ちで立ちはだかるあたし。

奴はそんなアタシを見て、馬鹿にしたように笑った(うざさ120%!)



「あたしの部屋に勝手に入らない!」




部屋というのはもちろん屋根裏部屋の事。既にあたし仕様に模様替えされて、住み心地は案外抜群に思えた。

ベッドは無理、だから変わりに置いたプール用の空気ベッドは使うのが少し楽しみだったりする。

だけど、やっぱりこいつの事は許せない。