ああ、怒られるだろう


それとも呆れられるか


そもそも辞めること自体迷惑をかけるというのに事前に相談もなしだ


ルールというか常識というか
そうゆうものを無視した行動だということは自覚している


正直罪悪感に飲み込まれそうだ


なにより初心者だった自分を支えてくれたパートの先輩に申し訳ない


最近 音が安定してきたのも先輩のおかげだ


それでも


それを踏まえた上でも


…それ以上にやりたいことがあるんだ


「あらぁ そうなの?
残念ねぇ〜、まぁしょうがないわね」


あれ


先生は残念そうに笑っている


怒られない


かといって呆れているような類の
裏の感情も感じない


「とりあえず明日部活に顔出して
挨拶だけしてくれるといいと思うわ。
寂しくなるわねぇ…」


そう言って退部届を出し
印をおして渡してくれた


「高校ではよくあることだから気にしないで?自分に合った部活をね」