「はい次27番ー。三神くん」

はい、と後ろからガタッと席を立つ音が聞こえる。

「三神流音(ミカミナオト)だ。えー、まぁ、よろしく」

その男は綺麗だった。
具体的にいうとすれば、高い背に綺麗な肌、さらさらの髪の毛に透き通る瞳。

そう。まさしくこれが"イケメン"というやつなのだろう。

クラスの女子、いや男子もが騒ぐほど綺麗な人だ。


ー自己紹介が終わり休み時間になった瞬間と同時にクラスの7割以上の人が、三神流音、という男のまわりに群がってきゃーきゃー騒いでいる。

私の席の後に群がられると流石に邪魔だ。

私は紅音ちゃんに会いに行こうとAクラスに行った。

しかし紅音ちゃんはすぐに新しい友達ができていたようで、呼び出すことが出来なかった。


さて、どうすればいいものか、教室はうるさいし、紅音ちゃんも呼べない。


…それにしてもさすがの私も三神流音とという男に少しは興味を引かれていたみたいだった。

でもあんな風に群がってお喋りがしたい訳ではない。


…トイレ行こ。
と思い、角を曲がる。そのときーー