紅音と別れてBクラスの一番はじの後ろから2番目の席に腰をかけた。
しばらくして担任が来た。
普通に綺麗な20代前半くらいの若い女性だ。
「はい。今日から1年間、このクラスの担任となった笹野菜月(ササノナツキ)です。よろしくねー」
意外と軽い挨拶。若いのに担任したのは初めてじゃなさそうだ。
―――1時間目――ー
自己紹介
自己紹介は苦手かもしれない。人前で自分の事をアピールするなんて恥ずかしい。
なるべく手短に終わらせようと考えてた。
一番から順番に自己紹介が終わっていく。
「次ーは、26番、三日月さんねー」
私の順番がきた。
ガタッと席を立ち長い黒髪がふわっと揺れる。
「三日月、月乃です。よろしくおねがいします。」
シンプルな挨拶をし席に座る。
周りの女子数名がひそひそと私の方を見て話している。
「あれ、クールぶってるよね」
「ああいうひとに限って男好きだったりね」
などとばかばかしい妬みなのかただの思い込みなのか分からない会話が聞こえてくる。
実際話もしていないのに他人にそんなことがわかる訳が無い。
ほんと、高校生にもなってそんな会話するなんて、ばかばかしいと思えてくる。