午後の講義は、なにも覚えてない。
今日のランチタイムにダンスに誘われたなんてまだ信じられなかった。
「これがティボルトだったらなぁ…」
そんなことをかんがえてたら、もう駐車場についてしまった。
今日はもう誘われないかな…
ティボルトはもうだれか誘ったのかな。
最近まともに喋れてない
日に日に思いは強まっていく…
ふと前を見ると壁際に寄り添っている背の高い男の子…マイクがいた。
「やぁ、ジュリエット」
「どうしたの?マイク」
「ちょっと話したいと思ってさ。まだ一回もちゃんと話してないだろ。
これからお茶でもいかない?」
こんなにも積極的に話しかけてくるなんて。衝撃的だった。
すこし線の細い感じの男の子だけど、見た目と違って肉食系なんだと思った。
「え、う…えーと…」
すこし迷ってしまう。
一緒に行ってもいいんだろうか
すこし考えてるといつのまにか目のまえにマイクがいた。
のぞき込むように見てくる。
「だめ?」
そういうと、マイクは左頬に手を添えてきた。ティボルトが触れたところに。
「ちょっと待って!まだ考えがまとまらないの」
こうしてると、あの夜を思い出す。
…でもあの時みたいに胸は高鳴らない。
やっぱり違うと思った。
わたしが気になるのは、マイクじゃない。ティボルトだ。
「ごめん、マイク。わたし他に待ってる人がいるの。…本当にごめんなさい。
申し訳ないけど、パーティも行くのやめるわ。」
「そっか。まぁ、行く気になったら教えて」
肩をすくめてみたけれど、まだ諦められないみたい。
「うん、本当にごめんね。
…じゃあ、また明日。」
そういってその場から逃げるように帰ってきた。
そう、わたしはパーティにティボルトと行きたいんだ。