毛布をテーブルにおいて、2人でパーティ会場に入った。
「すこし、待ってて」
眉毛をさげて言うロミオは、すこし申し訳なさそうに中央テーブルに寄っていく。
バルコニー近くのイスに座って周りを見渡してみた。
右端のテーブルに人だかりができている。
女の子に囲まれている人を見て誰とパーティに来たのかを思い出して、うなだれてしまう。
「…わたし今日ティボルトと来たんだった」
手に顔をうずめて後悔に耐える
せっかく今日パーティに誘ってもらったのに一回も踊れなかった。
うなだれている所に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ジュリエット!大丈夫!?」
焦った声に顔をあげると、綺麗な眉を八の字にしたロザラインがいた。
「うん、大丈夫。ただすこし自分のばかさを思い返してただけ。」
そう笑ってみせると、つられてロザラインの顔も少し明るくなった。
隣を見ると、ロミオが立っていた。
ふたりを交互に見ると、ロザラインが笑って答えてくれた。
「あぁ!これがわたしのパートナー。
ボーイフレンドよ?」
とても嬉しそうにロミオの背中に手を回すロザラインの顔ははじめて見る顔だった。
その顔を見て、また後悔が押し寄せてくる
「ごめんなさい、ロザライン。
わたしがケガなんかしたから、楽しみにしてたパーティも台無しになって…」
本当に申し訳なかった。
ロザラインは、この日をとてもたのしみにしてたのに。
「…大丈夫だよ、ケガしたのは誰のせいでもないんだから。」
背の高いロミオが優しい声でフォローしてくれた。
ロザラインもうなずいている。
「…ありがとう」
「あ!それよりも、ティボルトは?」
ロザラインに言われてまたさっきの失望が押し寄せてきた。
「…そうなの、まだなにも謝ってない。
せっかく誘ってくれたのに…」
そうすると、ロザラインはすこし眉をあげてわたしの方を見てくる。
「…後悔してる?」
「…とても。」
そう言うと、ロザラインは笑ってバルコニーの方を指さした。
「いってらっしゃい」
そう言われてバルコニーにでる。
バルコニーに出る直前…ロミオを見た。
ロザラインとは、すこし離れてこっちを見ている
目が会ったとき、すこし驚いた顔をしていた。
すこしロミオの表情が気になったけど、すぐに目をそらされた。
「ジュリエット」
声をした方を見ると、ティボルトがバルコニーで待っていた。