向かいに座る女の人をを見て驚いた。
「…綺麗」
右手を伸ばしてみる。
相手も驚いたようにこっちを見ている。
「すごいでしょ?」
片まゆをあげたロザライン得意気に見てくる。
「はじめて…こんなにしてもらったわ」
鏡にうつる自分を見て驚きが隠せない。
いつもはねほうだいの毛先も綺麗にカールしている。目の縁にあわせて黒いアイラインが綺麗にひいてあり、目の形が一際目立っている
「ありがとう、ロザライン。なんて言っていいのか…」
「いいのよ。
ほら、もうすぐ舞踏会の時間よ。
靴を履いて、シンデレラ。」
茶目っ気たっぷりに言うロザラインに緊張がほぐれていく。
いよいよ、舞踏会の時間だ。
靴を履いて、無駄に派手な仮面をつける。
ロザラインの車で会場に向かう
「ジュリエットは知らないのよね?
仮面舞踏会の最初は知らない人と踊るってこと」
知らない人と踊るなんて、大丈夫かな。
ティボルトだからリードしてもらえそうだったけど…
「それでね、最初の曲を好きな人と踊れたらその恋は一生続くの!」
頬を昂揚させて言うロザラインはいつもよりも子供らしく見えた。
舞踏会について話してると、いつのまにか会場についた。
会場に踏み入れると、まず目の前に大きな絵画が置いてあった。
豪華なシャンデリア、綺麗に飾ってある花、綺麗なドレスに包まれている女性たち。
16世紀のような感じに圧倒されてしまう。
会場の受付で女性、男性と別れて、相手が誰だかわからないようにしてあるみたい。
これじゃぁ、一曲目でティボルトとは踊れそうにない。
「緊張するわね」
妖艶な笑みを浮かべるロザラインは、背中があいた黒のドレスをぴったりと体にあわせて着ている。
紫の仮面がより一層セクシーさをひきたてている。
「うん、顔があつくなってきた」
もうパーティの始まる時間だ。