朝、目が覚めて昨日の事を思い出す
「…夢、だったのかな」
でも机の上をみるとあのピンヒールが輝いてる
本当だったんだ…
また嬉しさがこみあげていく
下にさがると、朝ごはんを作っている途中だった。
「おはよう、ジュリエット」
満面の笑顔のティボルトにすこし照れくさくなる
「おはよう」
「今日さ、一緒にいかない?」
「うん、もちろん」
こんな風に話しててすごく幸せな気持ちになった
いまでも昨日のことは思い出せる
「そういえば、マイクは別によかったの?」
そういわれて昨日の帰り道をおもいだした
「うん、あれは断っておいたの
…あれ?なんで知ってるの?」
なんでティボルトがそんなこと知ってるんだろう
「食堂で言われたんだろ?みんな知ってるよ。
昨日それ聞いて、いてもたってもいられなくなってさ、給料はやめにもらったんだ」
ティボルトはあのピンヒールを買うために働いてたんだ。
そう思ったらあのピンヒールが愛おしく思ってきた
二人して笑うこのゆったりした時間が心地よかった
車の中でもいつもと同じような話をして笑いあってた
学校について、ロザラインに報告するとロザラインは本当に喜んでくれた。
「よかったね!ジュリエット!
明日がたのしみ」
微笑みかけてくれるロザラインに感謝の気持ちがこみあげてくる
「ありがとう!」
「よーし、あたしも明日の準備しなくちゃ!
あ、明日は昼前にはあたしの家にきておいてね 」
「わかった、ありがとう!」
いよいよ明日から舞踏会が始まる。
嬉しい気持ちが高ぶってくる。
でもなにか胸騒ぎがする。
なんとも言えないような胸騒ぎ…
前にもあったような気がする。
そんな思いを打ち砕くように
開始のチャイムがなった。