それは暑い夏の日の出来事だった。


セミの鳴き声で目が覚めた。
もう8月も終わりに近づいたっていうのに、まだ本格的な暑さが残ってる。


高校3年の「赤原晴瑠」は蒸し暑さで動くのもだるくなり、また眠気に襲われた。セミの鳴き声がだんだん遠くなっていく。
意識が朦朧としてきた時、一件のメールで現実に戻された。

携帯を開き送信してきた人物を確認すると、ベットから跳ね起きた。
携帯に写っていた名前は半年前から付き合っている彼女の「鈴野笑里」だった。

『おはよーっ今日も暑いねー汗
ところでさ、明日って晴瑠の誕生日じゃん?だから、どこか遊びに行こーよっ☆』

突然の誘いだったけど、とても嬉しかった。夏休みに入ってなかなか会えなかったから、連絡がきただけで嬉しかったんだ。
OKの返事をして、行き先は遊園地に決めた。

わくわくして、明日が待ち遠しい。
暑くて動けないくらいだったのにそわそわして、動いてないと気が済まない。
明日の服を決めて、もう一度眠りについた。