後ろからは、佐野の慌てた声。

追いかけようともしてくれる。

でも……。

それは簡単に阻止された。

佐野の腰に、小さな手。

……花純の手。


「良太君……」


目が、いかないでって言ってる。

いくら親友でも、自分をさしおえてまで彼氏に追いかけられたくないよね。

……その姿が、あまりにも綺麗で、見ていられなくて、私の目から涙が溢れてくる。