「良太君と、乗りたいの」 「……うん」 世界が、暗闇に落ちた気分になった。 それでも、当然断ることなんてできなくて。 観覧車のところまで歩く。 佐野が高所恐怖症であってほしいな、なんて思っちゃう私って最低だ。 「良太君、乗らない?」 「いいよ」 だよねー。 わかってはいたけど、やっぱりつらいな……。 「……春田」 「ん?」