「誰かに見つかったらどうすんのよ」


そうブツブツ言いながらも、来ていた部屋着を脱ぎ、可愛い服に着替えて玄関のドアを開ける。


「おはよう」

「おはよ。って、もう昼だけどな」


ニカっと笑う佐野にまた胸が鳴った。

そういえば私服を見るのも初めてだな。

ドキドキしても、意味ないのにね。


「突然どしたの?」

「……春田に、用があったから」


用がなかったら普通来ないでしょ。